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承認欲求の考察

承認欲求をキーワードに、人間心理や社会を考察します。

偉そうだと思われること

他者と向き合う

前回苦手なタイプだと思われる理由のひとつに偉そうだと思われることを挙げました。
相手に偉そうだと思われるのではないかという不安から自分の考えを述べることを控えるケースは決して少なくないと思われます。
あるいは偉そうと思われないための予防線を張る人もいます。「もしかしたら間違っているかもしれませんが」「失敗ばかりの自分が言っていいのかどうか分かりませんが」「私は馬鹿なので自信がないですが」などの前置きです。

偉そうなのは悪いことだからそう思われてはいけないと感じる人がいる一方で、「みんなの前ですごい発言をして偉い俺」と自分に酔う人も存在します。前者は発言を自粛したり控え目にするために、後者が社会の多数意見のように誤解されることもあります。

そもそも「偉そう」というのはどういうことでしょうか。

偉そうだと言う場合には大きく分けて「○○だと思って偉そうに…」「○○のくせに偉そうに…」「何か偉そう…」の三種類に分類できます。

A「○○だと思って偉そうに…」
1 言葉遣いの問題
「早く注文取りに来い」「客だと思って偉そうに(もっと丁寧に言ってほしい)」
2 役割の誤解
「煙草買ってきてくれ」「上司だと思って偉そうに(それは社用じゃないですよ)」
3 序列の感覚  
「その帽子は似合わないと思うよ」「もてると思って偉そうに(人を見下すな)」

B「○○のくせに偉そうに…」
1 言葉遣いの問題
「おじいちゃん、あっちに行ったらだめよ」「若造のくせに偉そうに(目上には敬語を使え)」
2 経験、知識の不足 「料理なんて15分もあれば十分だろ」「やったこともないくせに偉そうに(あなたには分からないでしょ)」
3 役割の誤解
 「本社に報告した方がいいですよ」「部下のくせに偉そうに(決めるのは支店長の自分だよ)」
4 序列の感覚  
「その髪型は似合わないと思うよ」「弟のくせに偉そうに(兄の自分に口出しするな)」

C「何か偉そう…」
1 言葉遣いの問題
「赤ん坊がうるさい、静かにさせろ」「何か偉そう(もっと丁寧に言ってほしい)」
2 序列の感覚  
「この手の料理にはワインはキャンティの赤だな」「何か偉そう(知識自慢かよ)」

これらのうちで特に注意すべきは序列の感覚です。人間に社会的な役割の違いはあっても、序列はありません。序列の感覚の場合には、承認欲求が絡んだ問題です。
この場合語り手と受け手のどちらに問題があるのか見極める必要があります。

発信する側に問題があるケース、すなわち、自分をOKだと信じるために相手を見下しており、相手がそれを感知して偉そうだという印象を持つ場合があります。

逆に受け取る側の承認欲求が問題の場合もあります。
自分に劣等感を感じてそれを見ないために相手を偉そうだと攻撃する場合も存在します。
偉そうだという批判は、ただ相手を黙らせるために行われることもあります。「黙ってろ、お前なんかに発言する権利はないんだよ」と圧力をかける呪縛の言葉となる可能性です。

以上のように「偉そう」という感覚的な言葉を別の言葉に置き換えると、どこに問題があるのかが見えやすくなります。
自分の発言が偉そうだと思われることを心配するよりも、具体的に考慮した方が建設的です。
同様に、相手を偉そうだと批難するよりも、具体的に何が問題なのかを指摘した方が適切でしょう。

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