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承認欲求の考察

承認欲求をキーワードに、人間心理や社会を考察します。

同調圧力 その5 同調しないときに起こること

同調圧力

前回のつづきです。婚約者の家ですき焼きを食べることになったあなたは、皆が口にした箸で鍋をつつくことに汚いという感情を持ち、取り箸を使うか先に自分の分を取り分けることを申し入れます。しかし相手は受け入れてくれません。

相手の受け入れないという表明には二種類あります。主語が自分の場合とあなたの場合です。

前者は婚約者とその家族が「自分はそうしたくない」と表明する場合です。
取り箸は全員が使わないと意味がありません。あなた以外の人はあなたのために自分の行動を変えることを要請されていることになります。そんなの面倒だ、やりたくないと思う可能性は否定できません。最初に取り分ける案も何らかの理由で嫌だと思うかもしれません。

あなたはみんなが強力してくれれば同じ食事ができること、どうしても無理なら自分だけ卵かけご飯になることを説明し、お願いするしかありません。ここで注意すべきは、あなたに強制する権利はないので、あくまでお願いであることです。

もうひとつは「あなたはそうすべきでない」と表明する場合です。あなたの方がみんなのやり方に合わせるべきだと圧力をかけます。
「もう家族でしょ?」「この機会に潔癖を直した方が良いよ、今後も外で困るよ」「せっかく楽しく食事してるのにシラけるね」「我が家のやり方を否定しようって言うのか?」「こんな人をお嫁にもらうのはちょっと考え直した方がいいかもね」

このようなセリフが同調圧力であることは以前考察しました。
同調圧力は承認欲求が絡んでいます。この場合あなたを批難することで、あなたの依頼に応じないことで感じる罪悪感を見ないようにしています。

この攻撃を相手の承認欲求の問題だと捉えることができれば、動揺することなく状況を観察して、次の選択が可能になります。すなわち、場を収めるために撤回して一緒に食べる、話し合う、すき焼きは食べないで他のものを食べる、帰宅するという四択です。

前言撤回は相手が勝ったと思えるので相手を満足させるでしょう。しかし今後もきつく出れば引っ込むと相手に学習させるため、今後の長い付き合いを考えると得策ではないかもしれません。

話し合いが効を奏するかどうかは相手次第です。承認欲求が強いと話が通じなくなるからです。あなたは自分の事情を説明することに終始し、ヒートアップして相手を責めないことが重要です。前述したように責める権利はないし、責めると火に油を注ぐ結果になるでしょう。

すき焼きを食べないで他のものを食べるのは、お互いが妥協しない選択です。相手が同調圧力を諦めるか、益々攻撃を強めるかのどちらかの反応をもたらすでしょう。卵かけご飯か、家族の誰かが他の食べものを用意してくれるかもしれません。婚約者の頼り甲斐も含めた人間関係を観察するチャンスかもしれません。ここですき焼きを食べられない被害者というモードにならないことが重要です。

帰宅する場合は、婚約者一家との関係決裂を覚悟する必要があります。後日関係を修復する可能性を損なわないために、感情的にならず礼儀正しく去ることが重要です。この先長く付き合う可能性を考えたら結婚前に家族の性格を知る良い機会だったと捉えることも可能です。

私からいづれかの選択を推奨するものではありません。普段同調に慣れていると同調しないという選択肢を想定し難くなることから、どんな選択肢があり得るかを列挙してみました。


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